読書雑記3 私の障がいとしあわせ

今回読んだのは、精神科医で作家の樺沢紫苑さんの『THE THREE HAPPINESS』です。

 この本は幸福の種類を3つの脳内物質で分類しています。
 実際にどう行動するとその幸福の脳内物質が出て、幸福になりやすいか、ということを基礎に実践的幸福の方法が書かれています。
 内容が濃いので、ここでは全て紹介しきれませんが、幸福と脳内物質の関係を知ることもでき、具体的に何をしたらいいかまで実践的に実験の体験談も書かれているので、幸福、しあわせについて考えるのが好きな人には超オススメです。
 私も何度も読み返して、実行して、しあわせであり続けていければと思います。

しあわせのインフレーション

 内容が濃く、学問的なことも多かったので、詳細は本書を読んで頂くとして、自分の体験と考えてきたこととと合致した一部分を書いていきます。

小さなしあわせに気づく

 本書によれば、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福があり、この順番で満たされていくと良いということが基礎にあります。その上で、それぞれの幸福を手に入れる方法を提示してくださっています。

 私は統合失調症であるために、ドーパミン的幸福は制限を受けるだろう事はわかっているのですが、幸福の基盤となるのがセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福ということで、希望が持てると思っています。

 そのセロトニン的幸福を手に入れる方法として上げられていた項目の内、今の自分に引っかかったものについて思ったことなどを書きます。

「小さな幸せに「気付く」能力をトレーニングすることが大切です」

『THE THREE HAPPINESS』 樺沢紫苑 株式会社 飛鳥新社、2024年

 とりあえず、トレーニングがてら、小さなしあわせ日記を書いてみます。

 今日、嬉しかったことといえば、
 SNSの知り合いとメッセージ交換をして、自分の言いたいことを言えたことです。
 今までの自分からしたらかなりの進歩だったと思います。
 メッセージの相手には本当にしあわせになって欲しいと思っています。
 また、遠出をして、行きつけの店で、大好きな名物料理を食べることができました。
 また、父とコミュニケーションが取れたことは嬉しい限りです。
 晴天での本屋巡りと神社巡りドライブは気持ちよかったです。
 ありがとう。

統合失調症での入院時のしあわせ

 今は、私も統合失調症の症状が安定している状態ですが、症状が不安定なときは、とにかく症状に翻弄されて、小さなしあわせに気づくどころではありません。
 症状の波が大きい場合は、医師の指示のもと、薬でコントロールすることが重要だと思います。
 症状が落ち着いてきて、療養が進んできたら、小さな幸せを数えたらいいかもしれません。
 私は、精神科病棟で過ごしているときには、売店でノートとペンを購入し、日記を書きました。その時には、感謝できることを数えていました。

 病棟という狭い世界で起こる小さなしあわせに感謝しました。
 例えば、親が入院時の荷物を運んでくれたり、面会に来てくれたりだとか、医療スタッフの気づかいや、やさしい言葉がけだったり、福祉の支援者や相談員と電話できたときだったり、いろいろしあわせは病棟内でも結構、嬉しいことはあるものだなと思ったものでした。
 一番印象に残っている病棟でのしあわせは、疲れ果てた状態で入院したときの夕食のパンのイーストの匂いです。なんでもない食パンだけど感動し、めっちゃ美味しかったのです。
 人生の中でも上位にランクインするしあわせ感でした。
 もう一つ感じた病棟でのしあわせは、風呂でした。とにかく風呂に入ると気持ちが良い。こんなに風呂が気持いいものかと思いました。
 シャンプーのボトルの匂いを嗅ぐことは、病室内での楽しみのひとつでした。

 病棟でも、しあわせはあることに気づいたことだろうなと思います。当然、病棟では行動が制限されますから、病院を出られた自由はやはり、有り難いな、嬉しいなと思います。

 精神障害は自分に起こったどうしようもないことだけれども、小さなしあわせに気づくことはできる。それが、しあわせ感が0の状態を1にするということなのだろうかもしれないなと思いました。
 しあわせを感じ取れる心があるかないか、それは小さなしあわせに気づけるかいなか、ということなのかなぁ、と、ふんわりと思います。

 小さなしあわせに気づくことができたら、次に挙げる脳の仕組みが役に立ちます。

人は同時に2つのことを考えられない

人は同時に2つのことを考えることはできませんから、「楽しい出来事」を考え続ける限り、「つらいこと」「不安なこと」は、脳から追い出されるのです。

『THE THREE HAPPINESS』 樺沢紫苑 株式会社 飛鳥新社、2024年

つらいこと、などから、明るく、キゲンヨクに焦点を当てた生活へ

 確かに、自分は同時に2つのことを考えていません。色々と、考えが飛ぶことはありますが、考えていることは1つだなと納得しました。
 かつて私は、つらいこと、不安なこと、怒り、憎しみ、そういった事ばかり考えていたように思います。つらいことなどに焦点を合わせているからか、楽しいことは考えられなかったのかもしれないなと思います。
 それは、過去の苦しみに焦点を合わせているような状態でした。このことを考えているときは、しあわせのことなどに気づけませんでした。
 このことを別の本でも学び、考えることをとにかく楽しいことを考えれられるよう工夫しました。
 その工夫についてはまた別の機会に紹介できればと思います。
 今は、過去のつらいことに焦点をなるべく合わさず、明るく、キゲンヨク生きられる方に考えるようにしています。
 それが良いのか、段々、しあわせで満たされている自分に気づきました。
 しあわせであることに気づけたら、今度はそのしあわせなことを元に楽しい出来事を考えたら良いということだと思います。
 たとえば、今、しあわせだ。こうなるともっとしあわせだ、と考えます。
 そう考えるようになって、今もしあわせだけれども、こうなるとワクワクするということを考えるようになりました。

 現状、非常にしあわせだなと思っています。
 つらいこともたぶんあるかもしれませんが、楽しいことを考えたり、その時には小さなしあわせを数えていた自分を思い出し、しあわせはすぐ側にあることを思い出そうと思っています。

今、楽しいを続けると人生は楽しいで満ちる

 今、楽しい。今日楽しい。これが50年続くと、自分の人生はなんて楽しい、しあわせな人生だろう」と思うはずです。
 7日間連続でなくても、1週間のうち数日だけでも「とても楽しい日」があれば、「今週1週間は楽しかった」と思うはずです。

『THE THREE HAPPINESS』 樺沢紫苑 株式会社 飛鳥新社、2024年

日々の小さなしあわせの積み重ね

 結局、楽しい人生とか、しあわせな人生というのは日々の小さなしあわせの積み重ねなのだなということは理解しました。
 そして、今すぐしあわせになるには、感謝できるものを数えていくことかなと思っています。有り難いということは、あってくれて喜ばしい、ありがとう、という気持ちであり、それがだんだん心から思えるようになってくると、しあわせを感じている状態なんだなと私は思っています。

私がしあわせを実感する前に試みたこと

 また、しあわせに気づく前に、有効だったかなと思うことがあります。
 それは言葉です。できるだけ、愚痴、泣き言、悪口を言わないようにして、自分や他人に対して、明るく、キゲンヨクなれるようなやさしい言葉を使うように気をつかいました。
 実際にできているかどうかは、いろいろな見方があるかもしれません。
 ただ、自分としては、できるだけ、明るく、キゲンヨクいたいと思っていますので、相手にも同じように、明るく、キゲンヨクいて欲しい気持ちがあります。
 ウソのような話ですが、自分の言葉で、だんだん自分が明るく、キゲンヨクなってくるみたいで、そうなってくると、自然と感謝できるものであふれていることがわかります。
 何一つ、ありがたくないものなんてないのではないか。
 ちょっと行き過ぎですが、そんなことまで思います。
 そうなってくると、しあわせに気づけている状態なので、私はすでにもう、しあわせなのです。

 後は、毎日新しく気づくしあわせとともに人生を生きればいいのですね。はい。そうします。

まとめ

統合失調症としあわせについて

  • 症状の波が大きい場合は、医師の指示のもと、薬でコントロールすることが重要
  • 精神障害は自分に起こったどうしようもないが、小さなしあわせに気づくことはできる。
  • 過去のつらいことに焦点をなるべく合わさず、明るく、キゲンヨク生きられる方に考える
  • 今もしあわせだけれども、こうなるとワクワクするということを考える
  • しあわせはすぐ側にあることを思い出そう
  • 今すぐしあわせになるには、感謝できるものを数えていくこと
  • 自分の言葉で、だんだん自分が明るく、キゲンヨクなってくるみた
  • しあわせに気づけている状態なので、私はすでにもう、しあわせ

 この本にはしあわせであるための実践的秘訣が書いてあると思います。
 ご参考までに、ごく一部をご紹介させていただきました。

 皆さまに素晴らしくしあわせなことが湧き水のごとくあふれ出しますように

2024/09/15 00:33:33 キクシェル

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