『統合失調症の私の一人暮らしへのステップ』

この記事は、一人暮らしを考えている統合失調症の関係者の方や、就労継続支援B型の関係者の方にもオススメの体験記事です。

私の就労継続支援B型を卒業し、就職し、一人暮らしを実現したステップを書いています。
同じステップを考えている方の何かの参考になれば幸いです。

一人暮らしをしたいなら仕事をすることが大事

 私は、ものすごくあたりまえだけど重要なことに気づきました。

 一人暮らしをしたいなら仕事をすることが大事。

 これが、私の導き出した一人暮らしのファーストステップです。
 
 それには、就労継続支援B型を卒業し社会復帰することが大事です。

 以下の記事に、就労継続支援B型を卒業するステップについて書いています。

 先ず言えることは、就労継続支援B型から一人暮らしは現実的ではありません。
 それは、単純に収入が少ないからということもあるけれど、仕事がないことは不動産会社の審査で通過できないとおもいます。簡単にいうと、社会的信用がない状態です。
 実際に、不動産会社に行って仕事がないことを伝えると、探してもらえないこともありました。
 貯蓄があれば可能かも知れないけれど、そこは試していないので何とも言えません。
 大前提として仕事をすることが一人暮らしのファーストステップになります。

就労継続支援B型の利用中に一人暮らしはできないか

グループホーム

では、就労継続支援B型の利用中に一人暮らしはできないのでしょうか。
 福祉のサービスでいくつかあるようなので、詳しくはお近くの福祉支援員に相談されるといいかもしれません。
 私は、グループホームを紹介されましたので、検討しました。
 当時、私は就労継続支援B型を利用していましたので、一人暮らしの選択肢の中にグループホームが上がっていました。
 私の住む地域では、グループホームの空きが少なく、選べるほどありませんでした。
 支援者と一緒に見学にも行きましたが、行き慣れたB型事業所を併設しているグループホームで、通っていたB型事業所を辞めなければならないということで契約しなかった経験があります。
 福祉事業所に併設されているB型事業所に通うつもりであれば、グループホームに入ってもいいかもしれません。ただ、グループホームはアパートの一人暮らしとは異なり、制限、制約も多い印象でした。いろいろなタイプもありますが、人気のグループホームはすぐに埋まってしまうだろうと予想されます。
 グループホームについては実際に見学をさせてもらえると思うので、近くの福祉支援員の方に相談されたら良いと思います。

県営住宅・市営住宅

 もう一つ考えたのが、県営住宅、市営住宅などを利用して生活することでした。一般のアパートより部屋の広さや住居環境の割に家賃が安い印象です。
 新しい物件の場合は家賃もそれなりに上がりますが、その分、新しい設備が整っており、住み心地は良いと思います。
 しかし、私の地域では、応募が抽選でした。なので、希望した部屋に受かるとも受からないともわからない上、住居が決まらない状況で何か月も過ごすこともあり得ます
 抽選が当たればラッキーです。とても幸運だと思います。
 実際、私も何度か応募していますが、いずれも落選でした。
 その間、どんどん一人暮らしへ向かう時間は削られていきました。

住宅支援サービス

 さらに考えたのが、私の利用している訪問看護の会社で住宅支援をしていました。全ての訪問看護の事業所で、住宅支援があるわけではないと思います。
 私の場合は支援員の方に物件を探してもらい、その中の何件かの中から選ぶかたちでした。理解ある大家さんや理解ある不動産会社の物件となるので、扱っている物件数が少ないというところがありました。
 通っていた就労継続支援B型事業所までと遠かったり、車を使わなければいけなかったりと自分の生活や経済規模にあわなかったことが物件をお断りした理由でした。

しあわせに一人暮らしするには仕事がいる

 いろいろ考えた結果、一番最初の結論に至りました。

 しあわせに一人暮らしするには、どうしても仕事がいる。

 ということです。
 当たり前といえば当たり前の結論です。

 仕事をしなくても一人暮らしはできるかも知れませんが、私の現状は仕事のおもしろさも少しはわかってきていますので、働くということを軸に一人暮らしを考えることも健全な考え方かなと思います。
 それは、働くことで、社会に何らかの良い影響を与え、人を喜ばすことでお金というかたちで自分に巡ってくることや、働くことで得られた生活や自由やうれしさ、喜びというのは、ただ、公的なお金支給されて生きていくことだけよりも、桁外れに多くのことが得られると私は思います。
 私が成長する喜びは働くことを通して多く学べるのだなと実感しています。

働いて仕事して一人暮らしする具体的なステップ

ここから先の記事は、働いて仕事をして一人暮らしをしてみようかなという人向けの記事です。
就労継続支援B型で一生を過ごすことにしあわせを見出している人は、読む必要はないと思います。

具体的なステップ① 一人暮らしをしようと決意する

 一人暮らしをしようと決意したら福祉相談員に相談しましょう。

 就労継続支援B型を利用されている方は、何らかのかたちで支援を受けていると思います。ですから、一人で暮らしたいと思うということを福祉の相談員に相談されたら良いと思います。
 どうやって、一人暮らしをしようかということを一緒になって考えてくれるでしょう。

具体的なステップ② 就労継続支援B型から卒業の意志を固める

 就労継続支援B型から卒業する意志を固める。
 仕事をするということは、就労継続支援B型から卒業することを意味します。
 なので、その意志を最寄りの福祉支援員の方に相談しましょう。
 個別支援計画を立て直してくれると思います。

具体的なステップ③ 就労継続支援B型で仕事するまでいろいろ試す。

 就労継続支援B型でできるだけ勤務日に出勤できるよう、仕事の体力をつけ、生活のリズムを整える練習をすることをするといいと思います。
 出勤日に職場にいけることは仕事の基本です。
 就労継続支援B型を長く利用すると様々な要因で、出勤日にいくことが難しくなることもあります。
 それでも、目標が仕事をすること、そして、一人暮らしをすることであれば、訓練に取り組みましょう。期間は6ヶ月とかが間延びしなくていいかもしれないなと思います。
 私の場合は、履歴書を送ってしまってから訓練に本腰を入れているので3ヶ月間の訓練調整になりましたが、なんとか今も出勤できています。
 6ヶ月間で計画的に就労を目指した方が無理がないと思います。
 出勤日にいけるようしっかり訓練しましょう。とても大事なスキルです。

 そして大事なのが、症状からの回復の方法、服薬管理、体調が崩れたときどうするかというのを福祉支援員と一緒に考え、できるだけ試して、安定状態になるように自己管理をしておくといいと思います。
 その時に、どのような支援があれば自分は社会復帰し、仕事を続けられそうかということを福祉や医療の支援員のアドバイスを受けるといいかもしれないです。
 例えば、私の場合は、話し相手、相談相手が不足しているので、訪問看護を利用して、定期的に話す環境を作っています。福祉支援員の方に訪問看護があることを提案されて実現しました。
 福祉支援員の方に先ず相談するのが基本だと思います。どんなサービスがあるかを聞いてみることもいいかもしれません。私の知らない支援サービスもあると思いますので、ここではあえて私が利用している訪問看護のみ紹介しています。

 この段階で家計簿をつけると後々役立ちます。生活費が一体いくら必要なのかの概算ができるからです。
 3ヶ月だけでも、つけることができれば、4倍すれば、1年間にどれだけのお金の出入りがあるというのがわかります。一人暮らしをする際は、ある程度の金銭管理もする必要があります
 また、どのくらいの家賃ならやっていけるかを考える資料にもなりますので、オススメです。

具体的なステップ④ 訓練をしながら就職活動をする。

 ある程度訓練が充実してきたら、自己判断で就職活動をした方がいいと思います。なぜ、自己判断かといえば、自分の人生を人のせいにしないためです。
 就職先に向いているかどうかを相談するのは良いですが、就職は自己判断です。自己判断で仕事を選べなければ、まだ訓練を続けるしかないかも知れません。
 仕事では規則に則った自分の判断が問われます。自分がどう判断するかということを福祉の支援員にゆだねるのはやめておいた方がいいでしょう。
 自分がこの仕事をしたい、してみたい、チャレンジしたいという意志が大切です。
 福祉の支援員はそのために助言や訓練のあり方など、適切に支援してくれることと思います。

具体的なステップ⑤ 仕事に応募する

 私は失業を繰り返し、就職活動を何度も経験することになりましたが、応募をしない就職活動を続けていたこともあります。それは、統合失調症になり、さまざまな失敗を重ね、自信がなかったことがありました。
 また、労働条件を見ると恐ろしくなって応募しないというようなこともありました。
 大切なのは自分がいかに無理をせず、しあわせに働けるかを基準にすることです。
 統合失調症になると、無理して働くと続かないし、働いてしあわせでなければそれはどうなの?ということを考えています。
 私の場合は統合失調症があり無理ができないというのがあったので、多少賃金が安くても、自分に負荷がかかりにくい仕事を選ぼうと思って応募しました。また、学歴や職歴ではなく、自分の得意なことを活かしてみようという希望も持っていました。
 
 就労では仕事に応募すると採用されて雇用契約を結べるという仕組みです。
 ですから、大事なことは仕事に応募することです。

 いくつも面接落ちる可能性はあるかも知れませんが、その時は条件を妥協するとか、他にも仕事をする方法はあるかもしれません。
 コネも立派な財産ですので活用できると便利かも知れません。
 自分の意思で選んだならそれも自分の選択です。辞めづらいとかいろいろとコネならではの苦しみもあるかもしれませんが、辞めるのも続けるのも自分が選択して良いことだけは自分にも言っておきたいと思います。

 仕事に応募することについて、私の場合は、門戸の広い応募先に応募するということでした。具体的には募集人数が多いところです。
 自分が楽しんでしてきたこと、頑張ってきたことがいかせそうで、自分のできそうなことで、無理なく頑張れる仕事で門戸が広いところ。これが、私の就職活動の成功だったかも知れません。一例として参考にしてみてください。

具体的なステップ⑥ 仕事が決まる。収入と生活費の試算をする。

 自分の選択と仕事に応募する行動とご縁で仕事が決まりました。とてもうれしいことですので、お祝いしておきましょう

 ここで、仕事始めに転居した方がいいのか、仕事に慣れてから転居したら良いのか、2つの選択肢があります。
 私は、仕事先のアドバイスに従いました。後者の仕事に慣れてから転居するという方法です。
 実際、就職というのは環境が変わりストレスがかかります。また、仕事は働いたあとに収入が発生することが多いと思うので、最初はかなり手持ちが厳しくなります。そう考えると、状況がゆるせば、しばらく仕事を続けてから転居という方法も正解だったなと思います。

 就職の場合は雇用契約の際に、給与の話をすると思うので、自分の収入がわかります。
 支出は、就労継続支援B型時代にオススメした家計簿が役に立ちます。
 それを資料にして、光熱費などの生活維持費がかかるかを試算します。
 そして、妥当な値段の家賃を算出します。5000円ぐらいゆとりを持つといいかもしれません。重要なのは生活費の中から家賃で使える最高額を決めておくことです。
 これ以上の家賃は厳しいというところがわかっていれば、物件金額の妥協点がわかります。

具体的なステップ⑦ 物件を探す・一人暮らしを想像する

 仕事が決まれば、働く地点は決まります。それに応じて、実際に物件を探します。
 私は通勤で楽をしたかったので、職場の近くで探しました。
 車を持っている等、通勤に有利な設備がある時には自分の住みたいところに住むのがいいかもしれません。例えば、食料品が手に入りやすいとか、駅が近いとか、運動がしやすいとか、自分の楽しめる生活をイメージして部屋を決めるといいかもしれません。

 もし、福祉支援者とつながりがあるなら、引越しすることについて相談してみると良いでしょう。
 本当に、物件を借りた方が自分がしあわせに仕事ができるのかということと、仕事を続けることができるのかも冷静に判断したいところです。
 一人暮らしは自分でやることも増えるので自由ですが、雑務も多くあります。そこで体調を崩さないようにサポートシステムを作っておくことが重要です。
 一人暮らしで孤立すると結構しんどいです。私の場合は訪問看護を利用していることや、福祉支援員の方に助けられています。
 事前に準備できることがあるなら準備しておきましょう。休みの日の過ごし方とかも物件探しに取り入れておくといいかもしれません。

 また、大切なことは通院をどうするかということもあります。統合失調症は服薬の継続が必要です。ですから、病院との距離感が大事になります。通院をどうするかということも考えましょう。
 私は、隣町に決めたのですが、今までの病歴を知っている医師を信頼しているので、病院を変える選択はせずに通い続けることにしました。個人的な感想ですが、やはり通院に距離があるのはかなり大変ではあります。

具体的なステップ⑧ 物件を決める

 私は、ネットで条件を見て3件選んで、内見を予約しました。
 内見ですが、行った方がいいと思います。
 私はネットの情報だけで物件の順位をつけて内見にったら、真逆になったという経験があります。是非、内見はしてみるといいと思います。
 私は、症状の特性もあり、音が気になるので、できるだけ壁の厚い音の聞こえにくい物件を選びました。障がいがあることを言わなくてもいいですが、気になることがあれば、必要があれば物件の構造なども不動産会社に質問してみるといいと思います。

 住みたい物件が決まると、不動産会社に問い合わせて、物件を借りたい旨を相談します。
 仕事が決まっていて、審査に通れば、物件を契約することができます
 実際に転居はいつにするか、など、不動産会社との話し合いになります。
 詳しいことは不動産会社で契約の説明を聞くと良いと思います。

具体的なステップ⑨ 引越し前の諸手続

 引越し前にすることリストなどで検索すると、手続きの方法や引越しの手続きリストが出てきます。
 リストの項目を参考に自分に必要なものを手続きしていくと良いと思います。
 住所変更の際の手続きは市役所に相談に行くといいと思います。
 障がい者の手帳や自立支援受給者証等、障がい年金等の住所変更も必要です。わからないことは市役所の障がい福祉課などに問い合わせると良いと思います。

 引越しの日取りが決まったら、どうやって引っ越すかを決めます。私は父に手伝ってもらい2人で引越しをすることにしましたので、引越し業者を使う引越しについてはよくわかりません。

 引越し日に物件の電気ガス水道等が使えるよう手配しておくとよいと思います。

具体的なステップ⑩ 引越し

 引越し自体は不動産会社から鍵をもらって、荷物を運ぶだけです。

 一人暮らしなので、できるだけ、荷物が少なくなるようにしました。車で3往復ぐらいで済みました。
 私は冷蔵庫や洗濯機を自力で運ぶため折りたたみ式の台車を買いました。私の場合は折りたたみ式の台車が役に立ちました。

具体的なステップ⑪ 引越し後の諸手続

 引越し後の電気ガス水道、携帯、ネット、銀行等、クレジットカード、その他カード類、引越し後の住所変更が必要なことをしていきます。
 基本的にはインターネットで検索すれば引越し後にすることリストなどもあるので参考にするといいと思います。
 やることリストにしてチェックしていくと漏れがなくてオススメです。 

具体的なステップ⑫ しあわせな人生をおくる

 引越し完了したら、思う存分しあわせな人生をおくります
 一人暮らしになるからといって、一人になる必要はないです。
 しあわせに生きるために、使える支援は使って良いと思います。
 後は、今まで支援してくださった医療福祉の支援員の方々に感謝しながら、良縁を大切にして、孤立しないように生きていければいいかなと思います。

おわりに

 今回は私の就労継続支援B型からの一人暮らしまでのステップについてまとめてみました。
 各々の状況で異なる環境かも知れませんが、一つの事例として参考にしていただければと思います。

 皆さまにしあわせなことが湧き水のごとくあふれ出しますように


2024/09/28 19:53:06 キクシェル

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