エルランダムは自助会設立のため、市民活動支援センターのフェシカのもとを訪ねた。
「会の目的がいりますね」
フェシカは笑顔で答えた。
エルランダムは少し戸惑った。
「僕は超能力者なんですが、世のため人のために活動をしたいと思っていて」
フェシカは笑顔を崩さなかった。
「とてもいいと思います。ところで、なんの超能力なんですか?」
「正直に言いますと、世界を操作する能力があるんです」
ふんふんとフェシカは興味津々で聞いている。
「これからの世界はやばい方向に行きそうですから、僕がよい方向にいくように操作しなければならない」
「ですが、今、僕、精神病院で障能力者という診断を受けています」
「このまま僕が障能力者のままでは、世界をよい方向に操作することができない」
「少しは操作できるのですが、僕ひとりの力では難しいところがあるのです」
「だから、障能力者を集め、自助会を設立し、世界をよい方向に操作しようと思っています」
フェシカはうーんという表情になった。
「世界を相手にするとターゲットが広いような気がしますね。とりあえずここは市民活動ですので、この地域がよい方向に行くように考えていきませんか?」
「なるほど、確かに、地域は小さな世界とも言えますね。フェシカさんはどんな超能力があるんですか?」
「私は、どうだろう、人と人をつなげることかな」
フェシカはニコッとエルランダムに笑顔を投げかけた。
「とても素晴らしい超能力ですね。フェシカさんの笑顔も安心できる超能力ですね」
フェシカはふふふと笑った。
「僕は今、世界操作の超能力は薬によって大方は制御されています。他にも困っている超能力者がいるのではないかと思って私は立ちあがることにしたのです」
「すばらしいことですね。立ち上げを伴走しますよ」
「ありがとうございます。会の目的でしたね・・・・・・。地域操作でどうでしょうか?」
フェシカは大笑いして、
「だから、エルランダムさん。地域をどう操作していくのかというのが大事で、他の団体さんも地域をよくしていく活動をされているんです。それで、エルランダムさんは、地域のどこをどういう風によくしていくか。これを考えていくんです」
エルランダムはしばらくうんうん唸って、ひらめいた顔をした。
「障害を持った超能力者の集いはどうですか?みんな超能力が使えずに生きづらくて困ってると思いますし、超能力がなくても生きられる地域にしてしまえば、より生きやすい。障害を持った超能力者の助け合いの場。それが僕の作りたいものです」
フェシカはにっこりと落ち着いた声色で話し始めた。
「超能力のあるなしにかかわらず、生きづらい人が助け合えるといいですね。生きづらい人が助け合える社会を作るための居場所。それを目的にしましょうか」
エルランダムはじっとりと口角を上げた。
「今、ちょっと自分の世界操作の能力が戻ったかもしれない」
「私にも世界操作の能力があるのかも」
フェシカもエルランダムを見て笑った。
「僕の本気はこんなもんじゃありませんから」
エルランダムは笑顔で応えた。
2026/05/27 21:32:00 キクシェル

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